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大好きだった、名著「ビジョナリカンパニー」の続編が出ていました。 今回は、「時計を作る人」に焦点を当てた、「ビジョナリーピープル」です。 前著の「ビジョナリーカンパニー」の中で、時代を超えて繁栄する企業には、今がその時である。と告げるカリスマではなく、今がその時である、と多くの人が判断する為の「時計」こそ重要である。 その時計という仕組みを作る人を、本文では「時を告げる人」ではなく、「時計を作る人」と書かれています。 本書はその「時計を作る人」達、自分の道を追求しつづけ、ひたむきに、真っ直ぐに生きていく人達をピックアップして、彼らがどんな考えで、どんな行動をしているのか、そして、「時計を作る人」になるためには何が大切なのかが書かれている、自己啓発的な本です。 具体的には、ネルソン・マンデラ、ダライ・ラマ、ジミー・カーター、リチャード・ブランソン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、ヨーヨー・マ、U2のボノなど、200人のビジョナリーに10年間かけてインタビューした結果を基に書かれた本です。 これだけでも、一読の価値ありな感じです。
筆者が学んだのは、並外れた人たちやチームそして組織というのは、たいていの場合、ごく普通の人たちが自分自身にとって大切だと思っていることが、結果的に並外れていたに過ぎない、という事実だった。
序章からの引用ですが、時を告げる人=カリスマではなく、ごく普通の人達の成果が結果的に、優れた成果を残したということが、「時計を作る人」こそが重要であるという一つの証明になっている様な気がしています。 蛇足ではありますが、著者の名前に、「ビジョナリーカンパニー」著者の一人、ジェームズ・C. コリンズの名前が無いのは何故なんだろう? ビジョナリー・ピープル 『ビジョナリー・ピープル』 ジェリー・ポラス、スチュワート・エメリー、マーク・トンプソン 著 英治出版 ¥ 1,995 (税込)
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最近リメイクされて何かと話題の竹宮 惠子 の「地球へ・・」を読みました。 30年前のSEコミックなんですが、その斬新なストーリーと綺麗な絵は今読んでも全然遜色は有りません。 特に最近アニメでリメイクされていて、その一話をみて、どうしても気になっていたので、これまた最近出たばかりの愛蔵版を買ってきました。 地球へ・・・ 舞台は、現代から遠く離れた未来―S.D.(Superior Dominance:特殊統治体制、西暦3千数百年)の時代。 人類が地球を窒息させている」と結論付けた一部の人間の考えにより、人類の手ではもはや修繕不可能なまでに進んだ環境破壊で生命滅亡の淵にある地球を再生するため、全ての人間がマザーコンピュータとともに植民惑星へ退去します。 その後人類は全てを類は出生から成長、死に至るまですべてコンピュータによって完全に委ね、思想教育を行い、14歳の「目覚めの日」前後に成人検査で健全なであるとコンピューターに判断された人間のみが成人として、再生されつつある地球での暮らしを許されるという、管理された社会を作ります。 しかし、その過程で特殊なエスパー能力を持った「ミュウ」といわれる新たな人類も誕生させてしますます。地球を導く立場にある一部のエリート達、そしてマザーコンピューターは「ミュウ」を迫害し、根絶やしにしようとします。 迫害を逃れたミュウ達は、なんとか人間達と共存すべく、そして、母なる星「地球」へ帰るべく、必死に呼びかけますが、人間達にはその想いは伝わりません。 人間とミュウとの悲しい歴史を繰り返すなかで、主人公ジョミー・マーキス・シンがミュウとしての強大な力に目覚める。 というところから始まります。 個人的には、人間社会でエリートとして成長してゆく、キース・アニアンの無感情で冷徹でありながら、人としての感情の二律背反性が非常に好きでした。 昔の漫画とはいえ、とっても斬新なので、興味のある方は是非。
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ついに買った。 『Linuxカーネル解読室』 周りに居るハッカー達の影響から、Linuxカーネルを研究したいと思ってしまったので。 この本評判がひじょ〜に高いのですが、ちらっとめくっただけでもそれが解ります。 図解がふんだんに有って、わかりやすく書いてあるのに内容は濃い。濃ゆい。 もともとこれはUNIX USER誌とオープンソースマガジンに連載していた同名のコラムの集大成ですね。 「おいおいその辺どーなってんだよ?」って疑問に沢山答えてくれています。 素晴らしぃ。 実はもう一つ、『詳解LINUXカーネル』もオープンソースカンファレンスの時に、10%引きだったので買ってしまったんですが、この2つが並ぶと凄い圧巻。 本棚に並ぶ日が楽しみだわ♪ (今は机の横に並んでいる) Linuxカーネル解読室 『Linuxカーネル解読室』 高橋浩和 (著), 小田逸郎 (著), 山幡為佐久 (著) ソフトバンククリエイティブ ¥ 5,670 (税込) 詳解-Linuxカーネル-第3版- 『詳解-Linuxカーネル-第3版-』 Daniel P. Bovet (著), Marco Cesati (著) オライリー・ジャパン ¥ 6,600 (税込)
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本のエントリは久々なんですが、しばらくぶりに変に関心したので、紹介。 村上春樹の『神の子どもたちはみな踊る』です。 短編集なんですが、すべての短編が共通の背景を背負って書かれています。 1995年1月の神戸での大地震を発端に複数の物語が始まります。井坂幸太郎の『週末のフール』の様に物語りの関連性はないのですが、一つの背景に複数の運命があるっていう、現実社会の縮図のような書き方はなかなか面白いです。 どれも春樹らしい作品なのですが、これは春樹しか書けないだろうなってのは『かえるくん、東京を救う』というお話。 出だしがとってもらしいので引用。
片桐がアパートの部屋に戻ると、巨大な蛙が待っていた。日本の後ろ足で立ち上がった背丈は2メートル以上ある。体格もいい。身長1メートル60センチしかないやせっぽちの片桐は、その堂々とした外観に圧倒されてしまった。
「ぼくのことはかえるくんと呼んでください」と蛙はよく通る声で言った。
(中略)
片桐はまだ鞄をじっと脇に握りしめていた。これは何かのいたずらのなだろうか?誰かが着ぐるみの中に入って私をからかっているのだろうか?でも鼻歌を歌いながら急須に湯を注いでいるかえるくんの体つきや動作は、どう見ても本物の蛙 だった。
”かえるくん”が言うところには、近々東京に大地震がおこるそうです。 それも自然の物ではありません。東京地下に眠っていた”みみずくん”がおきだし地震を起こすのだそうです。 ”みみずくん”を倒し、東京を救うために、片桐と”かえるくん”は東京の地下で”みみずくん”と戦う事になるのですが・・・ 話の始まりから、終わりまで春樹節の炸裂した作品でした。 いつもこの手の話を読むと、これは何かのレトリックの様に感じてしまうのですが、こと春樹作品に関しては、それを追求するのは野暮な気がしますね。 神の子どもたちはみな踊る 『神の子どもたちはみな踊る』 村上 春樹 著 新潮社 ¥ 460 (税込)
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もしあと8年で地球が滅んでしまうとしたらあなたはどんな風に過ごしますか? 久しぶりに小説を読みながら電車に乗っていたんです。 運良く座席に座れて、夢中になって本を読んでいたら、本にぽたっと、水滴がこぼれたんです。 てっきりうとうとして涎でも垂らしたのかと思ったら、違いました。 いつの間にか泣いていたんです。ぼろぼろという感じではなくて、はらはらという感じですけど。 他の人がいる前で泣くなんて何年ぶりだろう? 初めは自分でもビックリしていたんですけど、 辺りを見渡してみて急に恥ずかしくなって、慌てて顔を伏せました。 たぶん昔の自分に重なってしまったんですね。ちょっと驚き。 物語の舞台は「8年後に隕石の衝突で地球が滅亡してしまう。」というニュースが流れてから5年後の世界。 ニュースを聞いて世界は混乱に陥ります。食料を巡っての混乱、暴力、自殺、殺人、強姦、宗教。 どうせ8年後にみんな死ぬと解って、真面目に生きるのがばからしくなり、ほとんどの人が仕事を辞め、 残り少ない人生をせいぜい有意義に生きようとします。当然、政府や警察は機能を失い無法状態に陥ります。 多くの人が自殺や犯罪によって命を失います。 そんな混乱も5年経って、小康状態、と言うより多くの人たちが疲れてきた。そんな世界が舞台です。 同じ舞台で8つの物語が描かれています。 主人公も老若男女色々でそれぞれの人生が、悲しく、可笑しく、そして優しく描かれています。 作者の伊坂 幸太郎さんは人々の心理の描写、というか描き方がとっても繊細で前々から好きだったんですが、 この短編集の8者8様の人生があって、個性があって、とても良い作品でした。 特に今まで読んだ作品は、みんな男性が主人公だったので、 女性が主人公の「冬眠のガール」と「演劇のオール」の主人公はとっても新鮮でした。 とっても魅力的な女性像を描くんです。 どのストーリーも「○○の○ー○」みたいに共通していて、 タイトルを見る度にいったいどんな話なんだろう?とわくわくしていました。 絶望的状況にあって、いや 絶望的状況だからこそ、沢山のものが失われてしまったからこそ、 残された人々達との関係が大切に思えてくる。 しばらく忘れていた人の温かさを思い出させてくれた作品です。 すっかり癒されてしまいました。 週末のフール  『週末のフール 』 伊坂 幸太郎 著 集英社 ¥ 1,470 (税込)
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