hack my life: BOOK: 2006年10月アーカイブ

BOOK: 2006年10月アーカイブ

私が勤める会社で行われている読書会のお題としての二冊目。

個人的には「Web進化論」を推したんですが、
「難しい」との事で、こちらの本になりました。

正直言うとこっちも十分難しいです。
と言うより、全体的にテーマを広く取りすぎたかな?って気がします。

Web2.0(ウェブツーポイントオーね)の概念については、
ちゃんと書いてあると思います。Tim O'ReillyのWhat is Web 2.0にもふれているし。

初めの方のサマリーよんで、「おいおい!」って思ったけど、その後でちゃんと解説してあった。
誰かが、読書会の時にサマリーの方を纏めて来たら、突っ込んでやろう。

それはさておき、
この本が扱っている内容は非常に広いのに驚きました。
セマンティック・ウェッブや、マイクロ・フォーマットまで書いてあります。流石に言葉たらずというか、誤解をまねく書き方もされていますが。

「Web2.0が世界を変える」なんてセンテンスがあって、ちょっと驚きました。
見事に主体と客体を取り違えている。
おそらく筆者は理解した上で言っているのだろうけど、コレを読んだ人の90%は勘違いするのではないだろうか?

別にWeb2.0という仕様、あるいはモデルが出来たから、世界が変わっているわけではないです。

むしろ、

  • チープ革命
  • インフラの整備
  • ロングテールとパレートの法則の崩壊
  • サーチエンジンの進化によるサーチエコノミー → アテンションエコノミー
  • バーチャルな経済圏の誕生
  • オープンソースムーブメント
  • データ自体の重要性への再認識
  • Wisdom of crowds
  • folksonomy
  • RSS
  • etc...

イノベーションによってもたらされた既存秩序の崩壊と、あたらなルールへのパラダイムシフト。

そういった変化の状況をひっくるめて、一つの象徴的な言葉として誕生したのが、「Web2.0」なのです。

「Web2.0」は公式なバージョンでもなければ、技術ですらない。
(勿論技術も含まれますけど、枝葉でしかない)

「Web2.0的」という言葉が生まれたのもそのせいですね。決まった仕様なんてないですから。「Web2.0準拠!」とか言ってる人は(ネタ以外では)流石に見たことありません。

その辺りとメディアが取り違えた事、何でも2.0を付け始めた辺りから、世の中のイノベーターやアーリーアダプターはウンザリしてしまったのですね。

どちらかと言うと、Web2.0自体はWebをシンプルな方向に導いています。本来のWebの有るべき姿へと回帰していると言っていいでしょう。
セマンティックWebなどは、ティム・バーナーズ・リーが本来構想していたWWWの事ですからね。(言葉自体ができたのは1998年ですが)

Ajaxにしても、いかがわしかったDHTML+苦労させられたJavascript+イマイチはやらなかったXMLHttpの再利用ですから。
結局、1st decadeはイノベーションの時代だったわけですが、そこで培われた技術やメソトロジーといったモノを2nd decadeになってようやく正しく理解し、正しく使えるようになった。そして、Webの本来の有るべき姿とそこからもたらされるものの巨大さに気がついた。それが「Web2.0」なのではないでしょうか??

その辺りの思想的な所をもう少し書いて欲しかったかなぁ。
全体としてはよく纏まっていたとは思います。

文系のための「Web2.0」入門
『文系のための「Web2.0」入門 』
小川 浩  著
青春出版社 ¥ 788 (税込)

私が勤める会社では、読書会なるものが存在する。
その読書会のお題としての一冊。

さて、いきなりですが、幸せってなんでしょう?

私が思うに「幸せ」であるというのは、自分の好きな事を仕事にする事ではないでしょうか?

どんな仕事でもそうだと思いますが、仕事には向き不向きがあります。
性格的なものや肉体的なもの、色々理由は有るとは思いますが、ほとんどの場合考え方で大きく変わるモノです。

ソフトウェア開発という仕事も例に漏れません。

この業種の特徴としては、

  • 技術の進歩が恐ろしく早い
  • 絶対の答えなどない
  • 非常にロジカルな世界である
  • コミュニケーションが重要な仕事であるのに苦手な人が多い

もともと、業種として成立してから、それほど長い時間が経ったわけではありません。しかしながら、数年で技術の流行が変わってしまい、ついて行くだけでも結構大変です。

しかも、目的の実現方法はそれこそ無限にあって、「コレが正解!」などという方法はありません。我々の間では「ソフトウェア開発に、(狼男を倒すような)銀の弾丸などない」などと言います。

ソフトウェアは非常に論理的(まぁパソコン自体がロジックで出来ているので当然ですが)であるが、一方で非常に複雑で、理不尽とも思えるエラーに遭遇することもしばしば。

コミュニケーションはほとんど要らない用に見えて、設計や管理の層に行くと、これ以上重要なスキルは有りません。

そんな仕事をするのに、どんな人が向いていなくて、どんな人が向いているのか例を挙げながら考察している本です。
一例を挙げると。

  • 向いている人
  •   
        
    • 純粋に好奇心旺盛
    •   
    • 英語が苦手ではない
    •   
    • 物事を抽象的にとらえる事ができる
    •   
  • 向いていない人
  •   
        
    • 「わかりません」と言えない人
    •   
    • 唯一無二の答えがあると思う人
    •   
    • 受け身な人

    また、後半にはソフトウェア開発で幸せになれる人となれない人を対比しています。

    ただ、自分が向いている、向いていないを判断する為ではなくて、
    自分の何処が合っていて何処が合っていないかを確認して、落ち込んだり、満足するのではなく、
    良いところはのばし、悪きを改め、少しでも楽しく仕事をするための糧するために読んで貰いたい一冊です。

    最後に良いフレーズがあったので、引用。

      幸せな技術者はクリエイティビティを持ち続けている人であることが解ります。自分が直接ソフトウェアを開発する立場になく、管理職になったとしても、クリエイティビティを持ち続けているいるひとは幸せです。<中略>クリエイティブな人は、常に能動的でポジティブです。
     

    いかがでしょう?たった一台のPCで、たった一人で、新たな価値を持つモノを作れてしまうのが、
    ソフトウェア開発という仕事です。こんな仕事他に無いとおもいますけどねぇ。。

    ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人
    『ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人』
    荒井 玲子  著
    技術評論社 ¥ 882 (税込)

「ウチの会社はちっとも変わろうとしない」
「あのトップでは、会社を変えるなんて到底無理だ」

なんて感じた事はないでしょうか?

あるいは、
「ウチの連中は俺の気持ちが全然わかっていない」
「いくら言っても、下の連中がちっとも動こうとしない」

なんて感じていませんか?

そんな人に勧めたい一冊です。

   トップだけでも現場だけでも組織はかわらない。改革の火種を育て、組織全体が大きな炎となった時、組織改革の大きな歯車が回り出す。その方法論が本書のテーマである「組織改革ファシリテーション」である。
 

ファシリテーションとはなんでしょうか?
日本語に直すと「共働促進者」とか「供創支援者」と呼ばれています。

つまり、

 
 集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、組織変革、自己表現・成長など、あらゆる知識創造活動を支援し促進していくのである。またその役割を担う人がファシリテーターである。
 

筆者はファシリテーターの一例として二人の人物をあげています。
日産を再生させたカルロス・ゴーンと、日本でおそらく初めての民主主義思想者上杉鷹山です。
二人とも大好きな人物です。

組織を動かすには、3つの機能が必要だと言っています。

  • リーダーシップ
    • 組織の方向性を示す
    • 望ましい行動の規範を示す
    • 組織をつくり人を育てる
  • マネジメント
    • 資源の配分を最適化する
    • 進捗を管理して成果を達成する
    • 業務を改善して、質を高める
  • ファシリテーション
    • メンバーの自律性を高める
    • チームの相乗効果を高める
    • 組織学習のスピードを上げる

どれも必要な機能ですが、特にファシリテーションがもたらす「相乗効果」は絶大です。
今私自身は組織改革を狙っていますが、一番重視しているのがこの「ファシリテーション」です。

もちろんリーダーシップ、マネジメントという土壌があって初めて、ファシリテーションが有効なんですが、
閉塞感を打破するのは、「コレしかない」と考えているのです。

また、組織を変える力として3つ改革が必要であると述べています。

  • 戦略の改革
  • 業務の改革
  • 風土の改革

戦略の改革はイメージしやすいのではないでしょうか?
「事業や経営資源の選択と集中」を指します。主に経営陣からのトップダウンで実行され、即効性があり、効果が見えやすい改革です。早ければ数ヶ月で結果が出ます。医療で言うなら、外科手術です。しかしながら、本当の意味での企業の硬直性が治ったわけではなく、いつ再発するとも解りません。

業務の改革は少し時間がかかります。投薬による治療の様なものです。
「顧客志向に基づく業務プロセスの改善」を指します。戦略の改革で示せるのは目標であって、いかに目標まではしるのかを決めるのが、業務改革なのです。一般的に1〜2年の期間を要します。
しかし、トップダウンでは上手く行かず、「やったフリ」などの悪い風土を築く可能性があります。

そこで最後の風土の改革です。
もっとも難しい改革で、従業員一人一人の意識を変えることが目標になります。「自己革新を促す組織風土づくり」といえるでしょう。価値観やメンタルモデルといった文化を変えるため、大きな痛みに耐える必要と、長期間継続してゆく必要が有ります。3〜5年くらいかかって初めて効果が目に見えて来ます。病気の治療と言うより、体質改善に近いものです。

これらの改革を行うための実践的なhow toがかかれているのがこの本です。
また前著として「問題解決ファシリテーター」があり、こちらが入門書になっています。

一応この本だけで独立した内容になっています。
組織を変えたい皆様ご一読をオススメします。

組織変革ファシリテーター―「ファシリテーション能力」実践講座
『組織改革ファシリテーター』
堀 公俊  著
東洋経済新報社 ¥ 2,310 (税込)

このアーカイブについて

このページには、2006年10月以降に書かれたブログ記事のうちBOOKカテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブはBOOK: 2006年8月です。

次のアーカイブはBOOK: 2006年11月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.0

アドセンス

MoMAstore MoMAstore
MoMAstore MoMAstore
MoMAstore MoMAstore
MoMAstore MoMAstore
MoMAstore MoMAstore
MoMAstore
MoMAstore
MoMAstore
MoMAstore