私の思想の原点は一冊の本から始まっています。 色々なところで書いているんですが、その本は田中芳樹氏の 「銀河英雄伝説」です。 空想科学的なスペースオペラなんですが、田中芳樹氏が歴史好きである為か、実際の歴史をふんだんに盛り込んであります。 きっとこの本に出会っていなければ、これほど歴史と政治を好きにならなかったでしょう。 中学生の頃読んだのですが、その頃の私には多少難解なところがあって、非常に読むのに苦労した覚えがあります。 ストーリーは今から700年後(だったかな?)が舞台。宇宙に進出した人類は銀河帝国と自由惑星同盟という大国に分裂し、恒常的な交戦状態にあった。 400年にわたって続いた銀河帝国は長い歴史と、大貴族達の専横によって腐敗していた。一方の自由惑星同盟は一部の扇動政治家によって衆愚政治に陥っていた。両者の交戦状態は永遠に続くかと思われた。 そんな中、帝国にあって簒奪を企む若き天才ライハルト・フォン・ローエングラムと、歴史家志望でありながら、いやいや自由惑星同盟軍人になった不敗の名将ヤン・ウェンリー。二人の天才の登場によって歴史は大きく回転してゆく・・・。 こんな感じのストーリーです。 ストーリーのオモシロさもさることながら、背景に描かれる政治思想や陰謀、さらには思想、哲学。多くのエッセンスが織り込んであります。 一度読めば一般生活にも影響を受けます。 たとえば・・・
  • 二人称が「卿」になる
  • テロリズムで歴史は動かないと思う
  • 努力と信念という言葉が嫌いになる
  • 口の達者な政治家が嫌いになる
  • コーヒーより紅茶が好きになる
  • 年金生活に憧れをもつようになる
  • 「御意!」と言いたくなる
などなど、挙げたらきりがありません。 特に近年は「テロリズムによって歴史は動かない」という事を深く実感しています。 「民主政治の真髄は多種多様な思想の共存にある」ってのも銀英の受け売りだったりします。 本好きでまだ読んだことの無い人がいたら、一読をオススメします。 たった10冊(新書版の場合)ですから(笑)