私が勤める会社では、読書会なるものが存在する。 その読書会のお題としての一冊。 さて、いきなりですが、幸せってなんでしょう? 私が思うに「幸せ」であるというのは、自分の好きな事を仕事にする事ではないでしょうか? どんな仕事でもそうだと思いますが、仕事には向き不向きがあります。 性格的なものや肉体的なもの、色々理由は有るとは思いますが、ほとんどの場合考え方で大きく変わるモノです。 ソフトウェア開発という仕事も例に漏れません。 この業種の特徴としては、
  • 技術の進歩が恐ろしく早い
  • 絶対の答えなどない
  • 非常にロジカルな世界である
  • コミュニケーションが重要な仕事であるのに苦手な人が多い
もともと、業種として成立してから、それほど長い時間が経ったわけではありません。しかしながら、数年で技術の流行が変わってしまい、ついて行くだけでも結構大変です。 しかも、目的の実現方法はそれこそ無限にあって、「コレが正解!」などという方法はありません。我々の間では「ソフトウェア開発に、(狼男を倒すような)銀の弾丸などない」などと言います。 ソフトウェアは非常に論理的(まぁパソコン自体がロジックで出来ているので当然ですが)であるが、一方で非常に複雑で、理不尽とも思えるエラーに遭遇することもしばしば。 コミュニケーションはほとんど要らない用に見えて、設計や管理の層に行くと、これ以上重要なスキルは有りません。 そんな仕事をするのに、どんな人が向いていなくて、どんな人が向いているのか例を挙げながら考察している本です。 一例を挙げると。
  • 向いている人
  •   
        
    • 純粋に好奇心旺盛
    •   
    • 英語が苦手ではない
    •   
    • 物事を抽象的にとらえる事ができる
    •   
  • 向いていない人
  •   
        
    • 「わかりません」と言えない人
    •   
    • 唯一無二の答えがあると思う人
    •   
    • 受け身な人
    また、後半にはソフトウェア開発で幸せになれる人となれない人を対比しています。 ただ、自分が向いている、向いていないを判断する為ではなくて、 自分の何処が合っていて何処が合っていないかを確認して、落ち込んだり、満足するのではなく、 良いところはのばし、悪きを改め、少しでも楽しく仕事をするための糧するために読んで貰いたい一冊です。 最後に良いフレーズがあったので、引用。
      幸せな技術者はクリエイティビティを持ち続けている人であることが解ります。自分が直接ソフトウェアを開発する立場になく、管理職になったとしても、クリエイティビティを持ち続けているいるひとは幸せです。<中略>クリエイティブな人は、常に能動的でポジティブです。
      いかがでしょう?たった一台のPCで、たった一人で、新たな価値を持つモノを作れてしまうのが、 ソフトウェア開発という仕事です。こんな仕事他に無いとおもいますけどねぇ。。 ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人 『ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人』 荒井 玲子  著 技術評論社 ¥ 882 (税込)