自分強化月間一冊目の本。

前々から気になっていた本なんですが、
僕は自分が日本人として生まれてよかったなぁ、と改めて思いました。

以前から日本人であることに誇りを持ってはいましたが、それは日本人は美的感覚に優れた人種だからです。

儚いものに美を見出す感覚は世界でもトップクラスで、
世界的にも非常に評価が高い、日本人の美点です。

「もののあわれ」とか、「わび」「さび」という感覚は日本独自の(中国には近い感覚はありますが)ものでしょう。

その理由として著者はこんなことを言っています。

日本という土地には、台風や地震や洪水など、一年を通じて自然の脅威が絶えません。他国よりも余計に「悠久の自然と儚い人生」という対比を感じやすい。「無常観」というものを生み出しやすい風土なのでしょう。

ある種の悲観的な情景を美学にまで昇華させるその感性は誇るべきものです。
別の本ですが、ちょっと面白い視点でその点を捉えている方が居たのでついでに紹介しておきます。

日本には手ごたえのない事をあらわす諺が非常に多い。「ぬかに釘」、「暖簾に腕押し」、「豆腐にカスガイ」、「柳に風」。我々の祖先はよっぽど手ごたえのない思いをして、繊細にそれを表現し分けていたのでしょうか?

土地柄的に考えても大いにありえることですね。

また日本独自の美学として「武士道」があげられています。
これも世界中で非常に評価が高い。「五輪の書」が最近アメリカでベストセラーになったり、新渡戸稲造の「武士道」をルーズベルト大統領が大いに気に入って、大量に買い込んで子供や知人に配った、というのは有名な話で、この本の中でも紹介されています。

別の章では、「自由」、「平等」、「民主主義」を批判しています。
結局のところ、「自由と平等」はフロンティア論的な理想でしかなく、「民主主義」にいたってはヒトラーを生み出す温床になったと書いています。

確かにその通りで、ヒトラーによる軍事力増強、国際連盟の脱退、他国の侵略などは国民の90%が支持しています。実は政治制度としては大いに欠陥がある制度ともいえます。

僕のバイブルである「銀河英雄伝説」にこんなくだりがあります。
銀河帝国の宰相であるラインハルト・フォン・ローエングラムが、自由惑星同盟を征服した後、民主主義の擁護者として最後まで戦ったヤン・ウェンリーと会談したときの言葉です。

『民主主義とは、自らの自由意志で、自らを貶める政体のことか?』

このセリフは衝撃的でした。

「もし、民主主義政体において、人民が自由意志で専制政治を容認したら、そのパラドックスをどう解決するのか?」
そんな事が主眼に置かれているシーンです。

ちょっと話が前後してしまいましたが、
先進国の多くが制度的に崩壊行く中で、我々日本人はどうして生きて行くべきか、その答えの一端が書かれています。

日本人、特に若い人に是非読んで欲しい本です。

僕はコレを読んで、新渡戸稲造の「武士道」を読みたくなってしまいました。


「国家の品格」
藤原 正彦  著
新潮社  ¥714 (税込み)

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このページは、hackmylifeが2006年2月27日 00:01に書いたブログ記事です。

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